マッチングサービスをリリースされており、ユーザー数を増やしたい、課金モデルの見直しについてのご相談。
お話を聞いていると質問内容が手法に対しての話が多かったため、そもそも論でコンサルティングを行いました。
具体的には、
- ● どういうユーザーにどういう価値を提供できるのかを考えるべき。
- ● 一番困っている人が誰で、それがどういう課題なのか。それに対して、どうすれば大きな価値を提供できるのかを考えるべき。
それがわかったあとに手法について検討しましょう。
という主旨のお話をしました。
詳細にコンサルティング内容をお話できませんが、一般論でいくつかされた手法に関する質問を回答を一部ご紹介します。
Q
BtoBのマッチングプラットフォームでうまくいっている事例はあるか。
Aあまり事例はない。単純なBtoBならまだうまく行く業界やサービスはある。人材紹介やら広告やらいろいろある。
ただし、そこにマッチングという条件が入るとそもそも法人数が少なく、マッチングしたのみで支払いというのは数が少なくなかなかマッチングしない割には少額しかとれないためビジネスとして成立しにくいため。
マッチングするだけで支払いが成立するには顧客側の商材単価が高くないとなかなか成立しない。
売上はユーザー数×課金率×ARPPU
※ARPPU
Average Revenue Per Paid Userの略で、有料ユーザー1人あたりの平均収益をあらわす指標
BtoBの宿命としてユーザー数が少ない。
ただし、toCよりはtoBの法人の方が当然支払える金額が大きいため、課金の大きさをいかに大きくするかを考えるべき。
通常のBtoBはユーザー数ではなく、課金率×ARPPUを配慮して、売上を作る。
そのため、商材単価は一律というよりは課題の大きさに合わせた課金額になるようにBtoBは設計するべき。
Q
有料会員の比率はどれくらい目指すべきか?
A一概に有料会員の比率がいくらがいいとは言えない。(※Dropbox やEvernote の有料ユーザー率の4〜4.5%を上回る)で有料会員が多いと言われている。
一概に言えない。設計次第。
無料会員が多いことでネットワーク効果が働くサービスであり、市場に複数サービス必要ないようなサービスであればユーザーの囲い込みの設計となる。
そのような設計ならば無料で使える機能を多くし、課金率は低くてもいい場合もある。
Q
BtoBで参考になるサービスは?
Aビジネス領域での課金モデルという意味だとwantedly、evernote、slackは参考になる。
wantedly・・・人材紹介という金額が高い領域に対しての格安モデルの提供。マッチングさせるために企業自らが頑張るモデルでユーザーを獲得。
evernote・・・インタビュー記事によると「Evernoteの有料会員(プレミアム会員)は、使い始めたばかりの1カ月程度では1%以下と低く、1年(12カ月)で約8%、3年(36カ月)では約23%にも達する。」とのこと。
フリーミアムは課金までのリードタイムが長くなるため我慢勝負。
Q
BtoBの課金でオススメの課金の方法は?
A定額制が安定するため、狙いたいし、多くの企業が狙うのだが、常に価値を提供し続けるのがしんどいため難易度が高い。
BtoBの場合には都度課金で大手から大きな額を稼ぐという方法が通常。
そういうターゲットを明確に定めてプラットフォームとしてはそれに必要な機能・価値を作るべき。
Q
競合他社に対して勝てるプラットフォームにするには?
A競合他社が、公共機関とのことなので、公共機関だと万人に等しくサービスを提供の意識が強く、個別にターゲットを定めてそのターゲットに最適化したサービス展開はなかなかできないはず。
キャズムのホールプロダクトという考え方は役に立つ。BOXの事例が特に御社に役に立つと思う。
一番困っている人、どうしても解決したい課題がある人を見つけることが第一。その人の課題が大きければ大きいほどどうしても解決するためにお金を出す。